新型コロナウイルス禍に揺れる製造業は、自動化と作業員のスキル向上を最優先することで素早く立ち直ろうとしている。
デジタル化やセンサー、データを駆使する高度に自動化された「スマート工場」という概念は、コロナ前から既に広がりつつあった。だが、人手不足から効率的なスマート工場への移行が改めて急務となっている。
工場のデジタル化を加速するカギとなるのは2つの新たなテクノロジーだ。大量のデータを処理できる高速通信規格「5G」と、データを生成するセンサーの近くで処理できる分散システム「エッジコンピューティング」だ。
企業幹部は既に製造業での5Gの可能性に注目している。韓国通信大手KTの幹部は決算発表で5Gの採用状況について尋ねられ「真の最前線は5Gスマート工場だ」と答えた。
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中国テレビ大手TCLの国内工場では、5Gのおかげで中国のフォワードX(ForwardX)製ロボットが新たなコマンドに迅速に対処できる。同様に、エリクソンは米テキサス州の5G対応工場で自律走行ロボットを展開している。米特殊ガラス大手コーニングは米アマゾン・ドット・コムと米通信大手ベライゾンと提携し、工場の一つでローカル5Gネットワークを展開する。この工場ではセンサーで収集したデータを活用する「センシング・アズ・ア・サービス」により、ロボットが互いの動きを調整する。